20 ローマの出来事U |
さて、いくらと言ってくるのだろうか。相手の金額は「25ユーロ」だった。正直、拍子抜けした。1万円程度は覚悟していたのだ。金を取られるのは悔しいが、25ユーロで済むなら自分の馬鹿さ加減でも笑ってやれとばかりに25ユーロを払ってしまった。しかし、相手の方が上手で財布の中身を見たのか、あまりにもあっさり出した態度からもう少し取れると踏んだのか、"25"でなく"250"だとエスカレートしてきた。2人と思ってたら、いつの間にか数人に囲まれてる。しかし、「250は冗談じゃない。払わん!!」と、今頃、腹を立てても、もう遅い。そんな金は持ってないとばかりに財布の中の札を見せてしまったのが運の付きだった。100と数十ユーロはあったのだろうか、あっさりとひったくられ、素早く、そこから居なくなってしまった。その早さと自分の馬鹿さ加減に更にあきれ返り、呆然と立ち尽くしてしまった。笑う余裕はなくなっていた。 |
かなり動揺してる。どん底。 |
写真は撮ってるものの、心ここにあらず。 |
クリスマスらしい飾り付け |
これだけ人が居ても、事件は起きる。 |
スペイン広場は昔から嫌いではないが、 |
今回はこの時の記憶が強すぎる。 |
まずは現金を確保しよう。今から思えばホテルに戻れば、日本円、米ドル、香港ドル他の現金があったのだから、これを両替すれば済んだものの、それさえ思いつかずにユーロの現金をキャッシングすることだけを考えていた。頭の中が真っ白だった。スペイン広場にアメックスがある筈だと思い、そこへ行くが、オフィスが休みだからなのだろうか、ATMが使用できなかった。こうなるとATMが全然見つからない。 |
バルベリーニ広場、ベネト通りに行けば、 ATMがあるだろうと行ってみるが、見つからない。 |
4ユーロのBIG(1日券)も買えずに1回券を買って、 テルミニ駅へ行く。 テルミニならむやみに探さなくてもATMがあるだろう。 |
テルミニ駅へ戻れば、すぐにATMが見つかった。下ろした紙幣で券売機でBIGを買おうとすると、全紙幣がはじかれる。まさか偽札!? そんなことまで考えるくらい悪い事ばかり考えてしまう。しかし、窓口で買い直せば問題なく切符は売ってくれる。それでも、お釣りが多いと思ったら、BIGでなくBIT(1回券)を買っていた。BIGと言ったのをBITだと思ったのだろう。ここで小銭が出来たのでBIGを買い直し、明日にでもBITを使えば良いものの、BITでメトロに乗ってしまう。メトロを降りてからバルベリーニの券売機で札が使えるかと試しつつ、使えないことを確認してから、改めて小銭でBIGを買ってるのだから、やってることが良く判らない。まともに頭が働いてない。 |
多少なり現金があると心に余裕ができてくる。 帰りは空いていたが、テルミニへ行く地下鉄は スリに注意するぐらいの混雑だった。 カメラ以外に取られる物は持ってなかったが・・・。 普段は、テルミニ駅周辺と地下鉄で 警戒モードのスイッチを入れるのだが、 眠気のせいか、慣れない所に泊まったせいか、 スイッチが入る前にやられてしまった。 |
ランチタイムに関係なく開いていそうな ベネト通りのレストランで昼食。 これも先にここで食事をしてから、 ATMを探した方が心のゆとりができただろうか。 少なくても、ホテルに戻ることを思い出したかも知れない。 |
ベネト通りのレストランを覗く。テラス席は避けたい気分で1件のあまりひと気の無い店になぜか惹かれてしまう。入ろうとすると、できるメニューは限られると言い、後1時間もすればディナー用の注文は応じられるとのことで、ランチタイム分は品切れになっていた。最初の印象とは違って客がより入る店のようで、機会があれば食べてみたいと思うが、今はメニューから選んで、食べたい物を食べたい。別のレストランで不本意ながらテラス席に案内され、停車する車、バスを見ながら、いや、見られながらの食事をする。 |
白ワインがボトルで24ユーロ。 嬉しくなって注文したのは、ご当地のフラスカーティ。 これで気分がやっと晴れた。 赤ワインはなぜか高く、 同様の値段ではハーフボトルだった。 |
これから、どこへ行こうかとガイドブックを見てると、 ちゃんと出てるではないかミサンガ詐欺。 成田で買ったので、殆ど目を通していなかった。 ローマは慣れてるとの思い込みが良くなかった。 |
生ハムとモッツアレラ。 このモッツァレラでワインが美味い。 |
パスタはスパゲッティ・アマトリーチャ 写真の量は多そうに見えないが、十分な量はあった。 遅いランチでも、夜もしっかり食べるつもりなので、 メインは無し。 |
デザートはジェラート。 ワインを1本空け、気分が良い。 |
バルベリーニ広場 |
メトロに乗ろうとすると、警官が入口をクローズ。 |
メトロが止まってしまったようで、乗客が降ろされる。 |
完全にクローズ。BIGを買ったのに乗れないとは。 |
テルミニ方面へ歩き出す。何か、動きに無駄がある。 ATM探しにテルミニに行かなくてもと、 今頃、思い始めても、もう遅い。 |
探してるときに見つからないATMが簡単に見つかる。 |
サンタ・スザンナ教会 |
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会 |
共和国広場に出る。 |
こちら側は何事も無いが。 |
|
通りを渡った サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会の前は、 |
デモ。 |
デモを横目に教会を見る。 |
|
イスラエルのガザ空爆を非難するデモ。 単純な問題では無いだろうが、 シャロンとそれを支持したブッシュが パレスチナ和平を最悪にしてしまった。 |
|
ローマ時代の浴場を基に、 |
ミケランジェロが設計した。 |
そして、この日3回目の |
テルミニ駅に到着。 |
こんなことでローマを嫌いにはなりたくない。結局、旅を楽しむのも、つまらなくするのも自分自身なのだから。今回は自分の隙、甘さを相手につけいれられたんだと、自分を責める。 |
前へ | 海外旅行(2008) | 次へ |